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美容室の開業に必要な届出と手続き|保健所・消防署・税務署の順番とタイミング

美容室を開くときの美容所開設届、防火対象物使用開始届、開業届、青色申告承認申請などを、提出先と時期の順に整理します。保健所の構造設備基準と、管理美容師が必要になる条件も確認できます。

開業の準備更新日 えらぶゾウ編集部

美容室を開くには、保健所・消防署・税務署の3か所に届出が必要です。このうち保健所の手続きは、物件を契約して内装を始める前から動き出さないと間に合いません。構造設備の基準を満たさない内装にしてしまうと、工事のやり直しになるためです。

この記事では、美容室の開業に必要な主な届出を、提出先と時期の順に整理します。基準や必要書類は自治体によって異なるため、最終的には開業地を管轄する保健所・消防署・税務署の案内を確認してください。

開業に必要な届出の一覧

手続き提出先時期対象
事前相談保健所物件・内装の計画段階美容所を開くすべての人
美容所開設届保健所開設前(期限は自治体の案内を確認)美容所を開くすべての人
構造設備の検査保健所届出後、開設前美容所を開くすべての人
防火対象物使用開始届出書消防署使用を始める日の7日前まで(東京消防庁の場合)建物・テナントを使用する人
個人事業の開業・廃業等届出書税務署開業した年分の確定申告期限まで個人で開業する人
所得税の青色申告承認申請書税務署開業日から2か月以内(1月16日以後に開業した場合)青色申告をする個人
給与支払事務所等の開設届出書税務署開設から1か月以内従業員に給与を支払う人
青色事業専従者給与に関する届出書税務署開業日などから2か月以内(1月16日以後の場合)家族に給与を支払う青色申告者

税務署の期限は、国税庁のタックスアンサー「新たに事業を始めたときの届出など」の記載によります。従業員を雇う場合は、このほかに労働保険(労働基準監督署・ハローワーク)と、条件によって社会保険(年金事務所)の手続きが必要です。いずれも雇用後の期限が短く設定されているため、採用が決まった段階で各窓口か社会保険労務士に確認してください。

保健所:美容所開設届と構造設備の検査

美容所を開くには、美容師法にもとづき保健所へ開設の届出を行い、検査を受けて確認を得る必要があります。新宿区の案内では、流れは次の4段階です。

  1. 事前相談:施設の計画段階で、設計図などを持って相談する
  2. 開設の届出:必要書類をそろえて届け出る
  3. 施設の検査:保健所の職員が現地で検査する
  4. 確認と開設:基準に適合していることを確認してから開設する

いちばん大事なのは1の事前相談です。物件の契約前、遅くとも内装の設計が固まる前に図面を持って相談してください。基準に合わない設計のまま工事を進めると、検査で指摘を受けてやり直しになります。

必要書類の例

新宿区の案内では、次の書類が挙げられています。自治体によって異なるため、開業地の保健所で確認してください。

  • 開設届
  • 構造及び設備の概要
  • 従業員名簿
  • 医師の診断書(3か月以内のもの)
  • 美容師免許証
  • 管理美容師の資格認定講習修了証書(管理美容師を置く場合)
  • 登記事項証明書(法人の場合)

届出には検査手数料がかかります。金額は自治体ごとに決められています。

構造設備の基準(東京都の例)

東京都保健医療局の「美容所の開設に関する基準等について」では、次のような基準が示されています。

項目基準
作業室の広さ1作業室の床面積は13平方メートル以上(内法で算定)
美容いすの台数13平方メートルの場合は6台まで。6台を超える場合は、1台増えるごとに3平方メートルを加えた面積以上
床・腰板コンクリート、タイル、リノリウム、板など不浸透性の材料を使う
照明・換気採光・照明・換気を十分にし、作業面の照度は100ルクス以上
空気環境美容所内の炭酸ガス濃度を0.5%以下に保つ
消毒器具の消毒方法が定められている

面積と美容いすの台数の関係は、物件選びに直結します。「この広さで何席置けるか」は、内装業者だけでなく保健所の基準でも確認してください。

管理美容師が必要になる条件

美容師である従業者が常時2人以上いる美容所では、美容所ごとに管理美容師を置く必要があります。管理美容師になるには、所定の講習を修了していることが求められます。1人で開業し、あとからスタッフを増やす場合は、2人目を迎える前に準備が必要です。

消防署:防火対象物使用開始届出書

店舗として建物やテナントを使い始めるときは、消防署への届出が必要です。東京消防庁の案内では、使用を始める日の7日前までに「防火対象物使用開始届出書」を提出します。届出をするのは、実際にその場所を使う人(テナントとして営業する人)です。

内装工事の内容によっては、別の届出が必要になる場合もあります。内装業者に消防の届出の要否を確認し、分担を決めておくと抜けが防げます。

税務署:開業届と青色申告

個人で開業する場合、税務署には主に次の届出をします。

  • 個人事業の開業・廃業等届出書:開業した年分の確定申告期限まで
  • 所得税の青色申告承認申請書:開業日から2か月以内(その年の1月16日以後に開業した場合)

青色申告は、帳簿を付けることを条件に税制上の特典を受けられる制度です。申請の期限を過ぎると、その年は青色申告ができません。開業届と同時に出してしまうのが確実です。

青色申告では日々の売上を記帳する必要があります。POSレジの中には、売上データを会計ソフトに連携できるものがあります。レジを選ぶときに、使う予定の会計ソフトと連携できるかを確認しておくと、開業後の記帳が楽になります。

手続きと並行して準備すること

届出と並行して、開店日から営業できる状態を整えます。時期は目安です。

時期の目安手続き並行して準備すること
物件の契約前保健所に事前相談電気容量・給排水の確認、席数の決定
内装工事中美容所開設届の準備予約システム・POSレジの比較と資料請求
開店1か月前開設届の提出、消防署への届出予約の受付開始、Googleビジネスプロフィールの登録
開店直前保健所の検査と確認予約・会計の通し練習、釣り銭とレシート用紙
開業後開業届・青色申告承認申請書(期限内に)記帳の開始

開店前から予約を受けたい場合は、内装工事中には予約システムを決めておく必要があります。予約がどこから入るか(クーポンサイト、LINE、自社サイト)によって選ぶべき製品が変わるため、早めに比べておくと安心です。

開業準備の全体像は「サロン開業準備チェックリスト」で、開業資金の見積もり方は「美容室の開業資金はいくら必要?」で解説しています。

よくある質問

美容師免許がなくても美容室を開業できますか

施術を行う人は美容師免許が必要です。開設者自身が施術しない場合の扱いを含め、届出の要件は開業地の保健所で確認してください。

自宅の一室でも開業できますか

構造設備の基準を満たし、保健所の確認を得られれば開業できる場合があります。作業室と住居部分の区画などについて基準が設けられていることが多いため、自宅サロンを考えている場合は特に早い段階で保健所に相談してください。賃貸住宅の場合は、契約上、店舗としての使用が認められているかも確認が必要です。

ネイルサロンやまつげサロンも同じ手続きですか

まつげエクステンションは美容師法上の美容行為にあたるとされ、美容所としての届出と美容師免許が必要です。ネイルのみのサロンは扱いが異なる場合があります。提供するメニューによって必要な手続きが変わるため、開業地の保健所に確認してください。

参考にした資料

制度や料金は変わることがあります。手続きの前に、提出先や各社の最新の案内をご確認ください。

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