飲食店の無断キャンセル(ノーショー)対策|カード登録・事前決済・前日確認とキャンセル料
飲食店の無断キャンセルを減らすために、予約を受けるとき・予約が入ったあと・当日にできる対策を整理します。カード登録や事前決済の使いどころ、キャンセル料を設定するときの注意点も解説します。
飲食店の無断キャンセル(ノーショー)は、予約した席が空くだけでなく、仕込んだ料理の食材がそのまま無駄になる損失です。経済産業省の委託調査事業として2018年にまとめられた「No show(飲食店における無断キャンセル)対策レポート」では、飲食店の無断キャンセルによる被害額は推計で年間約2,000億円とされています。
この記事では、予約を受けるとき・予約が入ったあと・当日の3つの段階に分けて、飲食店ができる無断キャンセル対策を整理します。
無断キャンセルが起きやすい予約
無断キャンセルは、どの予約でも同じように起きるわけではありません。次のような予約は、特に注意が必要です。
- 席のみの予約:料理が決まっていないため、予約した側の心理的な負担が小さい
- 大人数の予約:幹事が人数を確定できないまま予約し、そのまま連絡が途切れる
- 予約日が先の予約:日が経つうちに忘れられる
- 連絡先が確かでない予約:電話番号の誤りや、連絡手段がない予約
自分の店でどの予約が多く飛んでいるかを、過去の予約台帳から数えておくと、どこに対策を集中すればよいかが分かります。
予約を受けるときにできること
キャンセル規定を予約時に示す
「前日以降のキャンセルはコース料金の○%」のように、キャンセルの期限と料金を、予約画面と予約確認のメッセージに書いておきます。予約の時点で目にしていることが、規定を守ってもらう前提になります。
クレジットカードの登録や事前決済を使う
予約時にクレジットカードを登録してもらう仕組みや、コース料金の事前決済を使うと、無断キャンセルを大きく減らせます。予約の手間が増えるぶん予約数が減る可能性もあるため、コース予約だけ、大人数だけ、繁忙期だけのように、損失の大きい予約に絞って使うのが現実的です。
| 製品 | 事前決済 | 電話の自動応答 | 顧客台帳 | 初期費用 | 月額費用 |
|---|---|---|---|---|---|
| レストランボード | 記載なし | 記載なし | 対応 | 0円 | 0円 |
| ダイニー | 記載なし | 記載なし | 対応 | 要問い合わせ | 要問い合わせ |
| ebica予約台帳 | 記載なし | 対応 | 対応 | 要問い合わせ | 要問い合わせ |
| TableCheck | 対応 | 記載なし | 対応 | 要問い合わせ | 要問い合わせ |
| トレタ予約台帳 | 記載なし | 対応 | 対応 | 要問い合わせ | 要問い合わせ |
「—」は公式サイトで記載が確認できなかった項目です。カード登録の対象を予約の種類ごとに分けられるか、電話予約にもカード登録を求められるかは、資料で確認してください。
予約が入ったあとにできること
前日に確認の連絡を入れる
予約の前日に、日時・人数・コース内容を知らせる確認の連絡を送ります。忘れていた、日付を勘違いしていた、という理由の無断キャンセルはこれで減らせます。人数が変わる場合も前日に分かれば、仕込みを調整できます。
変更・キャンセルの連絡をしやすくする
電話でしか変更できない店では、「営業時間中に電話しづらい」という理由で連絡が途絶えます。予約確認のメッセージから、Webで人数の変更やキャンセルができるようにしておくと、空いた席に別の予約を入れる時間も確保できます。
当日にできること
- 来店時刻を過ぎたら連絡する:15分程度を目安に電話で確認すると、遅刻なのか来店しないのかが分かり、席の使い方を決められる
- 待っているお客様に席を回す:連絡がつかない場合に、何分で席を開放するかを決めてスタッフで統一する
- 記録を残す:無断キャンセルがあったことを顧客台帳に残し、次回の予約でカード登録を必須にするなどの判断材料にする
キャンセル料を請求するときの注意点
キャンセル料は、予約の時点で金額と条件を示し、同意を得ていることが前提です。また、消費者契約法第9条では、契約の解除に伴う違約金のうち、同種の契約の解除に伴って事業者に生ずべき「平均的な損害」の額を超える部分は無効とされています。仕込んだ料理の原価や、ほかの予約を断った損失など、実際の損害に見合う金額を設定してください。
実務上は、カード登録や事前決済がないと、キャンセル料を回収するのは簡単ではありません。キャンセル料は抑止のための規定と割り切り、実際の損失は事前決済やカード登録、前日の確認で防ぐ方が運用しやすいでしょう。金額の設定に迷う場合は、専門家に相談してください。
よくある質問
席のみの予約にもカード登録を求めてよいですか
求めることはできますが、予約数が減る可能性があります。まずは無断キャンセルの多い曜日や人数に絞って試し、予約数と無断キャンセルの件数の変化を見ながら範囲を決めるのが現実的です。
グルメサイト経由の予約にも同じ対策ができますか
グルメサイト側の仕組み(事前決済やカード登録の有無)に左右されます。グルメサイトの予約を予約台帳に取り込んでいる場合でも、カード登録はサイト側の機能に依存するため、各サイトの設定と予約台帳の連携範囲を確認してください。
参考にした資料
制度や料金は変わることがあります。手続きの前に、提出先や各社の最新の案内をご確認ください。
当サイトは掲載企業から成果報酬を受け取る場合がありますが、記事の内容と製品の掲載順は広告料の影響を受けません。掲載順・ランキングの基準
あわせて読みたい記事
- 飲食店の予約台帳の選び方|電話・Web・グルメサイトの予約を1つにまとめる飲食店の予約台帳(予約管理システム)の選び方を解説します。グルメサイトとの連携、席・テーブルの管理、電話の取りこぼし対策、無断キャンセル対策を、どの順番で確認すればよいかを整理します。
- グルメサイトに頼りすぎない飲食店の予約の集め方|自店のWeb予約・Googleマップ・LINEグルメサイトの送客手数料を見直したい飲食店向けに、リピーターの予約を自店のWeb予約・Googleマップ・LINEに移す方法を解説します。グルメサイトと自店予約を同じ予約台帳で管理する考え方も整理します。
- モバイルオーダーの導入費用|月額・端末・決済手数料をまとめて見積もる飲食店がモバイルオーダーを導入するときの費用を、初期費用・月額・端末・決済手数料の4つに分けて解説します。テーブルオーダーとテイクアウトの料金の違いや、POSレジとの連携で確認すべき点も整理します。